第49回 山口県老人福祉施設相互研修会 第3分科会 特別養護老人ホーム全般
ユニットリーダー研修実地研修施設に認定されているという自負もあり、
という、今の時代における特養のあるべき姿というものを題材としました。
もちろん、満足のいくものには到底至っていませんし、先駆的な取組をされている他の実地研修施設様に比べると足元にも及びません。
とはいえ、山口県内でもそこに焦点をあて前向きに取組んでいる施設がここにあり、既存のハードの問題点や介護職員数の問題のある中で、工夫しながらここまで取組んできたということを知ってほしいとの想いでこの題材での発表を行いました。
助言者の方から、『利用者が望む空間設定なのか?職員の価値観で効果を解釈していないか?変革した空間が利用者の想いに寄り添ったものとなっているという明確な根拠が示されていればよかった』とのありがたいお言葉をいただきましたが・・・、
我々は、決して利用者にとっての理想郷やユートピアを目指しているわけではありません。施設での暮らしが、ごく普通の一般社会での暮しと同じもの(我々が、ごく普通に、あたりまえに思っている暮し)を目指しているだけです。言わば、「脱施設」です。
一般社会での暮らしの中にある「あたりまえ」のことが、施設では「あたりまえ」になっていないことは、現実問題として多々あります。その現実を少しずつでも改善していこうとしているわけです。それは、利用者が望む・望まないとか、職員の価値観とかといった次元の問題ではなく、一般社会における一人の「人」としてのあり方(一般的価値観)を基準に考えてのことなのです。
一人の利用者を見た時に、施設だからこそできる事、確かにそれもあるでしょうが、それが、ごく普通のあたりまえの生活を犠牲にした上で成り立っているものであってはならないと思っています。
とても「人」に対するものとは思えないようなケアを“あたりまえ“として行っている施設も未だにあるのでは?という疑問が残る中で、賀宝は県内どの施設よりもこの「あたりまえ」に向き合っているものと確信しています。そして、幾度となく、次の言葉を振り返っていくことが重要だと考えています。
助言者の方が「普遍的な課題に対する取組」とも言われていましたが、まさに特養における永遠のテーマだと言えるでしょう。
「施設は所詮施設。施設で一般社会と同じ暮らしができるようになることはあり得ない。」としても、それでも、その努力は虚しいものではなく、理念的なことであり、大いに意義のあることだと考えています。
山口県老人福祉施設協議会のホームページ上(会員専用ページ)に掲載された
『第49回 山口県老人福祉施設相互研修会 第3分科会:特別養護老人ホーム全般 発表動画』
と同じ動画です。是非ご覧ください。